184

漫画の感想。

週刊少年ジャンプ新連載について(2024年9月)

新連載が来るらしい。しかも3つも。

①『魔男のイチ』原作:西修 作画:宇佐崎しろ

41号からの新連載は『魔男のイチ』。原作を西修先生、作画を宇佐崎しろ先生が担当する。

なんと!西修先生といえば、あの「週刊少年チャンピオン」の中軸『魔入りました!入間くん』の作者その人であろう。「マガジン」から和久井先生がやってきたように、他誌のエース級がジャンプに集ってきていて、とてもワクワクする。

宇佐崎しろ先生は以前ジャンプに『アクタージュ』を連載。かなりの有望株だったらしいがアレにより連載終了へ。宇佐崎先生には全く非が無かったため、復帰を待ち望まれていた。

勉強不足につき、184はどちらの先生の作品も読んだことが無かったので、せめてと思い『入間くん』1話を読んでみた。

↓1話試し読みできます。

arc.akitashoten.co.jp

……やっぱり1話じゃなんもわからん。ただ、評判を見る限りでは、少年漫画らしくまっすぐ少年&女性層に受けていそうな感じがするので、王道かつ「光」の漫画になるのでは、と期待している。宇佐崎先生の絵柄もきれいだしね。

ジャンルは、魔法ハンティングファンタジーまた、あらすじから察すると、タイトルの「魔男」は魔女と対になる用語のようだ。近年のジャンプだと西洋ファンタジーが長期連載になった例は『ブラッククローバー』くらいしかないので、険しい道となりそうだ。

競合は……思いつかない。面白ければ続くと思う。ただ、誌面も煮詰まってきた感があり、『キルアオ』『超巡』『アストロ』の他に脱落しそうなのは新連載組(6月)とアニメ化組しかいない。そう考えると、少ない席の奪い合いはちょっと面白そうかも。

ジャンプに新しい風をもたらして欲しい。

『魔男のイチ』1話の感想

来週。

②『しのびごと』 原作:たけぐし一本 作画:みたらし三大

42号からの新連載は たけぐし一本先生&みたらし三大先生のコンビによる『しのびごと』

たけぐし先生&みたらし先生コンビは、以前ジャンプにて『アメノフル』を連載。結果としては約20週ほどの連載だったが、持ち味を十分に発揮したと聞いている。

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ジャンルは○○。←追記予定。

現時点の情報から推察すると、日本古代において、天皇を筆頭に、貴族が亡くなった際に同輩・臣下が上表する「誄」のこと。……ではなく、主人公が取っているニンニンポーズからしても「忍び」だろう(古代史ジョーク)。

また、忍びの割には現代的なカーディガンを着用し、背景の英字で書かれた文書から考えると、「現代/学園/忍者/ファンタジー」ものになりそう。

現代日本を舞台にした(或いはそれに準ずる技術を持った世界での)漫画はジャンプに多いので、味付けでどう区別していくのか注目だ。バトルもするなら、『カグラバチ』とは被らないようにと願うばかりだ。

ちなみに。

みたらし先生は絵の技術がかなり向上していそう。楽しみ。

 

『しのびごと』1話の感想

来週の来週。

③『白卓』 石川光貴

43号からの新連載は  石川光貴先生の『白卓 HAKUTAKU』

石川先生は2014年「金未来杯」出場者らしい。先生の漫画は、ジャンプ+で読切『藤沢ゾンビタイムブルース』を読むことができる。読んでみた。

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どことなく小洒落た一挙手一投足。さっぱりとした演出が趣深い反面、コテコテの台詞と展開が、2人の友情を際立たせる。絵もそつない。話はそこそこ。本誌にはあまりいないタイプの作家さんだと思う(強いて言えば『アンデラ』『キルアオ』ぽさがある?)。

さて。ジャンルは○○。←追記予定。

現時点での情報から考察すると、…うーん。スマホ、コントローラー、ヘッドホン、パソコン…。なんだろう。

ゲームものかな(「ゲームもの」ってなんだ?)。eスポーツとか?そういう感じかも。それか、メイン二人のヒューマンドラマ系か。デジタルガジェットを軸に。あんまり情報がない。

一枚絵だけで想像するのも悪いが、目がデカい。ちょっと不安。

申し訳ない。もうちょい情報が出たらまた追記することにする。

『白卓』1話の感想

来週の来週の来週。

 

新連載発表週の感想

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新連載・最終回など個別記事の感想一覧 

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週刊少年ジャンプ(2024年40号)の感想【極東ネクロマンス完結/かゆい!】

今週のキーワードは「かゆい!」

『カグラバチ』外薗健

堂々の巻頭カラー。ワクワクさせてくれる。

妖刀「酌揺」の契約者・漆羽洋児は六平国重のファン。双城といい、六平パパのカリスマ性が光る。一生温泉に幽閉なら悪くないのでは。鮨屋よりかはマシ(出前取れるのかな)。

ギャグ描写というか、funnyのほうの面白さもありつつ、スッと話が入ってくる素晴らしい章導入。

『ひまてん!』 小野玄暉 

かゆい!その1。お笑いライブのところが特にかゆい。

『僕とロボコ』宮崎周平 

かゆい!その2。宮崎先生が頑張って描いてるところにかゆさが増幅している。

『超巡!超条先輩』沼駿

かゆい!その3。いちばんかゆい。

『鵺の陰陽師』川江康太 

説明は二の次にしてとんでもない事が起こっているのを絵で伝える。大正解。

初期と比べると成長は歴然。すごい迫力。禍々しくも美しくすらある、整然としたデザイン。超ド級の対決。陰陽師たちすら把握しかねるスケールを、一般読者たる我々が眺めることなんてできないのだ。まさに理外の存在。

『極東ネクロマンス』 那波歩才

最終話

極東・死霊・愛きょくとう・ネクロ・ロマンス

……の感想と全体の感想はこちらで。

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『妖怪バスター村上』伊原大貴

イルカすき。

『ルリドラゴン』眞藤雅興

かゆい!その4。若さゆえの向こう見ずなところがかゆい!痛くないとはいえどうなの?

先週の感想

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次週の感想

週刊少年ジャンプ感想一覧 

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『極東ネクロマンス』総評・最終回の感想

那波歩才先生、お疲れさまでした。悲しい。憂鬱。

総評

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公式のあらすじはこんな感じ。

家族思いの少年・宇埜薫の眼に、ある日突然映るようになった謎の化け物――“死霊”。彼の前に現れた、亡き父の仕事仲間・天涅耀司と、父が残した不思議な指輪が、少年を死霊術士の世界へと誘う――『ALIENS AREA』の那波歩才が贈る死霊術士バトル新連載!!

『極東ネクロマンス』|集英社『週刊少年ジャンプ』公式サイト (shonenjump.com)

あらすじにもある通り、”あの“『ALIENS AREA』で一躍話題を呼んだ那波歩才先生によるバトル漫画。

連載前には「ジャンプGIGA 2023 SUMMER」に『ムクテルアオイ』という読切を掲載していた。この読切がまあ素晴らしい出来で、そんな読切からキャラデザを転用していた本作は発表時から期待の声が上がっていたように感じる(少なくとも184は発表時すごく嬉しかったし、新連載組の中ではいちばん期待していた)。

第1話の思い出。待ってましたと表紙を捲って(電子だけど)巻頭カラーページ。「憂鬱って言いたいだけです」。那波成分たっぷりの台詞回しに思わず爆笑してしまった記憶がある。

全体を見ても、他の連載作品とは一線を画すような、青年誌のようなオシャレな演出を多用。これは、前作よりも早くから、より前面に押し出されていたように思う。細かい台詞回し、まるでV系バンドのような出で立ちの死霊術士集団「饗苑」とか。全くもって大衆ウケする気がない、それでいて(だからこそ?)クセになりそうな独特の味。

そして、キメるところはキメる。死霊術、いわゆる”ネクロマンシィ“のネーミングはセンス爆発。昭和感マシマシの、かっこいいようなかゆいような。独特の世界を構築することに至っては、右に出る者はいないだろう。

絵も前作よりうまくなっていたし、途中で崩れることはなかった(ちなみに前作について、那波先生はコロナ感染の憂き目に遭っていたことを附言しておく)。死霊のデザインも、メインのシシとチタリは人型で、魅力的に描けていた。一転、一般死霊は無国籍的なクリーチャー。モチーフがはっきりと分からない、不安定さ、不気味さが、死霊の異質をより際立たせる。

20話足らずの連載になってしまった影響で、どうしても構想の断片しか見ることができなかったが、その作り込み、細部に関しては、那波先生にしか出せない味を存分に堪能できるようになっていたと思う。

さて。これだけべた褒めしながら、じゃあなんでこんなに早く終わってしまったのか。という話について。

まず、作品全体を通してみると、結果論ながら、アンケートが取れる漫画ではなかった。

演出もキャラクターも派手ではなく(どうしても話数が足りないというのはわかっているが、最終戦に死霊術会から応援に来た二人はキャラが弱く感じた)、主人公・薫が死霊術士になる動機も、「唯一の家族である祖母を守るため」というもの。素敵な動機だが、ジャンプ漫画にしてはびっくりするくらい地味。アンケートシステム、――ジャンプ内での読者の奪い合い――を制する力が無いのは明らかだった。柱が二本抜け落ちようとする現在(2024年9月)のジャンプならまだしも、ただでさえ競合揃いのバトル漫画だし。

上で評価した死霊のデザインも、死霊術のネーミングも、キャッチ―さには程遠い。特に、味方の死霊もクリーチャーで(以下、「師団カシマシ」について)、「ジョジョ」のミスタのスタンドみたくしたかったのかもしれないが、デザインがそれを許さない。親しみを持てないと、愛着が湧くはずもなく。

要するに、上記で184が評価する点は、那波先生の強烈な個性によって彩られたものであって、多くの人に刺さるものではなかったということだろう(しかし、それ故に一部の読者を強く引き寄せる作用を引き起こしていると考えられる。表裏一体。難しい)。これは、前作についても同じことが言える。どうしても前作の轍からはみ出ることのない「置きにいった」という印象は否めない。

次に、ある程度読者間で共通した意見だと憶測するが、バトル描写自体はそこまで上手くないと思う。もちろん、1話で見せたバトルシーン演出など、戦闘シーンに魅力がないわけではないが、「死霊術士バトル」と銘打つ割にはパッとしない戦闘が多かったように思う。具体的には、バトルの構図とロジックの薄さ。

もうちょい能力バトルよりにすれば、印象の薄さも和らいだと思うし、なんなら前作の「兵装」はシステマティックなわかりやすさと使用者の個性を両立していたな、と再評価。

更に、個人的に大きかった問題は、「結局この漫画のジャンルはなんだったのか」ということである。

前作『ALIENS AREA』で評価されていたのは、もちろん那波先生のセンスもそうだが、一貫して「お仕事もの」だったというところにあると思っている。

そもそもの動機自体は、前作の辰己も、本作の薫も大差ない。どちらも家族を守るために、秘匿された組織(外5と死霊術会)に加入する流れ。

しかし、外5(外事第5課)は警視庁の職員。外5であるからこそ、どれだけ個人の矜持を踏みにじられて挑発されようと、私情を挟まず、仕事として会議を経た上で、職務を遂行しなければならない。少年漫画の文脈から外れた、感情に反した「ズラし」。それを可能にした論理が「お仕事もの」である。頭に血が上った新入りの辰己を諭したのは、先輩である写楽。外5であるからこそ、自らの手で被疑者を逮捕できるのだ、と。

ここで辰己を「外5」という組織の一員に昇華させ、自らをもって手本とさせた点において初めて、『ALIENS AREA』が「お仕事もの」「タッグもの」として優れた作品になった。と、184は考える。この、「ズラし」によって強調された「一貫性」。かなり批判された部分でもあるが、184はこのやり取りにこそ、『ALIENS AREA』の核心が隠れていると思う。

さて、本作に立ち返って考える。確かに、第2話で「仕事としての死霊術士」を改めて問うところに「ズラし」があり、序盤として良い導入だったが、物語の筋は、次第に耀司の方へ移行していったように思われる。死霊術士としての職務への哲学が耀司から薫へ伝えきれなかった点からしても、本作の大部分を占める「お仕事もの」「タッグもの」の魅力が十分に出せていなかったように感じた。

このような要素から、184自身もラストバトルまでの縦筋が唐突に感じ、どうしても入り込めなかった側面が大きかった。バトルに紙幅を費やすよりも、こういった要素を押し出していったほうが、那波先生の良さをより表に出せたのかもしれない。

……にしてもどんだけアンケートが取れなかったのか、いきなり急落したのは悲しかった。クオリティ的には中堅あたりで落ち着いてもいいくらいだったのに。もちろんずっとアンケートは1位で出してた。なぜ。

 

以上、長々と書いてきたが、端的に言えば、細部に光るものを見せたものの、終わるべくして終わった作品と評価せざるをえない。文字通り最初の巻頭カラーページから終わりまで、週刊少年ジャンプ内では絶対にウケない漫画だった。

それでも、那波先生の作品からしか得られないものがある。媒体に関わらず、次回作、期待しています。

(これまでの記事で考えたことが土台になっている部分があるため、もしお時間があればこちらを参照していただけると、184の言いたいことがよりわかるかもしれない。)

最終回の感想

さて。とんでもない最終回だった。

薫も緊急事態だが、死霊術会のふたりも緊急事態。耀司の生存確認。耀司は憂鬱を受け入れた様子。

指輪を作った魔術師たち。空港で待ち伏せするも、長はすでに薫に接触していた。長が過激派なら結構ピンチな状況の気がするが、空港の彼らは馬頭らには興味が無さげ。

おかえりなさい!電話を操ったのは死霊術によるものか。死霊術を司る指輪を作ったのは私。「貴方を死霊から守る為」「極東の島国だけはやめて欲しい」どういうこと?

……愛である。宇埜茂。薫の高祖父とのロマンス。そして愛ゆえの嫉妬。それは宇埜に先立たれた、薫の祖母にまで矛先を向ける。そりゃ心も動く。そりゃ臨戦態勢。

細かいが、チタリ似の女の死霊は無機質系ではなく明らかに虫モチーフ。ちなみに空港の男が使役する死霊も虫っぽい。連載が続けば関連があったかもしれない。

祖母に危害は加えない。ただし、お嫁さんになってくれたらね……♡♡♡

最終話

極東・死霊・きょくとう・ネクロ・ロマンス

??????????

かくしてこの漫画は、「新キャラ恫喝求婚エンド」という、前代未聞の結末を迎えることになったのであった。。。

最後は耀司。憂鬱って言いたいだけ。(外面では)動揺することなく、常に飄々としていた耀司。思い返せば、薫とは対照的なキャラクターだった。これにて完結。

…………

 

 

まずは俺の立場と方針ステイトメンをハッキリさせるか。

184はこの最終回、評価します。ひとつめは、明らかに作り込んでいたことがわかる終幕(ぶつ切りエンドでも可)は、丸くまとめた円満解決よりも作品世界に対して誠実だと考えているから。ふたつめは、「へぇ~、那波先生こっちの路線で考えてたんだあ!」となったから。那波作品において、感情で動くトリックスターのようなキャラクターをメインに据えて登場させた点が新しい。てか、チタリの「ん」がここに繋がったのも面白い。

おそらく、このタイトル回収は前からの(なんなら連載開始前からの)構想だったのではと邪推する。もしそうならば、なぜ最終回まで取っておいたのか。もっと早めから出していれば、こんな結果にならなかったのではないか。今は純粋に、そう思う。

だが、少年ジャンプはエンターテインメント。娯楽性を勘案するなら、この終わり方はすごく良かった。台風一過の澄んだ青空を眺めるがごとく、晴れやかな気持ちで「ありがとう」を伝えたい。

新連載発表時の印象

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序盤の感想

「総評」に貼ったリンクと同じ記事。何度も貼ってすみません。

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最終回掲載週の全体の感想

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新連載・最終回などの記事一覧

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週刊少年ジャンプ(2024年39号)の感想【志ぐまの芸】

『極東ネクロマンス』 那波歩才

憂鬱。正しくない選択をさせることで、これからずっとメランコリー。良い性格してる。そこに挟まる歩才節。二十四節気。思考の枠組みが違えば、世界の匂いも変わる。自然な話題転換がシュールギャグ。これこれって感じ。と同時に、二人が兄弟であることを再認識。

憂鬱は人生を彩る苦味。甘いだけじゃ、精神は動かない。耀司にとって、精神の動きを用いる死霊術師にとって、この苦味は必要なのかもしれない。

日常に戻った薫。耀司は姿を見せない。シシも消えた。耀司は誰を生贄にしたのか。登校中、1話のリフレイン。おそらくエピローグ突入。

『呪術廻戦』芥見下々

釘崎復活。巻頭も含めて顔が怖い。残った指に共鳴り。相当効いてる。黒閃も痛そうなのでそろそろ宿儺も体力の限界か。まあ、一年間頑張ったよ。

『あかね噺』原作:末永裕樹 作画:馬上鷹将

志ぐま。よく考えてみると、志ぐまって名前いいね。古風で落語家にいそうな名前だけど、読みは西洋/現代的。

噺は『死神』。なんか知ってるな。前話のなかで触れたっけ?有名だからかな?

志ぐまの台詞と表情の描写。それ以外の描写はない。正確には、それ以外はこの会場に存在しない。誰だ。誰って、俺ァ…。リアルな風景とコミカルで不気味な死神の対比。静かに、確かに、そこに「いる」。

二つあった見開きページはどちらも一級品。ハードルが上りまくった師匠格の落語(ただの領域展開に加え、今回は「伝説」が乗っかっている)の凄みが伝わる。

観客だけでなく、読者も深みに連れていく芸。来週からは更に深く潜る。

いやあ、すごい漫画だ。

『鵺の陰陽師』川江康太

最近なんかすごいことになってる鵺の陰陽師。ついに封印されていた鏖こと「火車」のお披露目。スケールがでかい。相対する味方陣営が一斉に技を使って攻撃を防ぐのもイケてるし、学郎も来た。ぶ熱い展開に目が離せない。

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週刊少年ジャンプ(2024年38号)の感想【呪術あと五話】

『ウィッチウォッチ』篠原健太

アニメ化めでたい。ロボコを感じる1話だった。白黒の漫画内でアニメ調の塗りをやると、途端に安めのWEB漫画に見えてなんだか新鮮。モイちゃんの部屋の椅子が3DCGなのもちょっとおもろい。

『カグラバチ』外薗健 

六平国重が妖刀を託した者が匿われる慚箱。寺院、温泉、神社ときて鮨屋。シリアスのなかに面白みのある設定、最高のセンスだと思う(海外の映画に出てくるような妙な日本感も、作品を引き締めている)。

あと、神南備がいるのにも関わらず治安が悪い世界観を説明する要素として自然に見えた。ハクリも頼りになる。

もう看板でいいよね。

『僕とロボコ』宮崎周平

ヒロアカロス回。マイナーなとこまで拾うし、かっ飛ばしてる感じがあって面白かった。

そのうち呪術廻戦ロスも来るだろうし、ちょっと楽しみ(呪術はずいぶんお世話になってそうなので、盛大に飛ばすだろう)。

『呪術廻戦』芥見下々

なんと!あと五話。一年ほど続いている対宿儺戦もそろそろ終わるのか。この漫画の残した功績は非常に大きいが、どうしても「全体のまとまらなさ」に目がいってしまうのは184だけだろうか。それはともかく、総評はヒロアカ方式で書きます(個別記事を作らず、最終回の週で巻頭に掲載)。

『アンデッドアンラック』戸塚慶文

不滅→不死の帰還。アンデラ特有のハイペースを久々に感じた。やっぱりアンディがいないとね。この作品もそろそろ最終決戦が近そう。

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週刊少年ジャンプ(2024年36・37合併号)の感想【ヒロアカ最終回】

ジャンプがこんなに盛り上がってるのに都合により更新遅れるのが悲しいので書き進めているところを公開します。Twitterには完成したら発信します。

公開しました。

僕のヒーローアカデミア堀越耕平 

最終回。いやぁ、大団円。

話数が多くて滅多なことは書けないと思い、なかなか取り上げることが無かった作品ですが、今回に限ってはにわか知識ながら紹介させてください。

この作品の特徴は、「ヒーローもの」であると同時に「職業もの」であるところにあると思う。実際、アメコミを取り入れた明るい絵柄とビジュアルが目を引くが、ヒーローになる者の、ヒーローとしての苦悩や葛藤をしっかりと描写している。ヒーローになろうとする、半人前のヒーローとも言える雄英高校の生徒たちだからこそ真正面から描くことができた、独自の視点が光る。生徒たちのキャラクターは言うまでもなく、関係性など、細部までこだわって描いたからこそ、この葛藤は活きていたと思う。

それでいて、この漫画は「誰もがヒーローになれる」と説く。厳しい漫画だ。ヒーローの大変さ(と、ひとことで表すのもはばかられるほどの大変さ)は作中で散々描写されたじゃないか。それでも?そう、それでも。誰もが、ヒーローに、なれるんだ。

そんなに難しく考えなくてもいいじゃないか。何かせずにいられない。手を差し伸べずにはいられない。そう思ったとき。少しの思いきりさえあれば、だれもがヒーローになれる。最終回の先週の回(つまり35号の回)の”おばあちゃんが来た“は、そういうことか、と思った。(ちょっとポエミーだけど、こんな気持ちで読んでた。)

そして、上記のテーマを土台からがっしりと支えた、世界観のバランス感覚も評価したい。ある程度エンタメとしてのリアルは保ちつつローファンタジーとして、リアリティを保って現代日本を描写できていた。

あとは、死柄木。始めの頃にそれっぽい恰好でヴィランとして出てきて、旧来の型にはまっている感じと、善悪の対立があからさまな感じが好みではなかったが、シガラキの「ヴィランのヒーローであるための苦悩」には一本取られた。ここは良かった。

作画にも触れておこう。10年もの長期、しかも週刊連載に、画力を左右されず(休載・減ページはありながらも)、バトルシーンは圧巻の書き込み。キャラクターも、ヒーローはヒーローらしく、ヴィランはねっとりしつつもかっこよく描けていることも評価したい。

こんな感じで、湿度の高めな「ヒーローもの」を、ジャンプの柱になるほどに成長してからも、方向性をブレさせずに完走した点に、この作品の「個性」が出ている。単なる「ヒーローもの」を超えた、「”皆“がヒーローになるまでの物語」として、素晴らしい作品だと思う。堀越先生、お疲れさまでした。

ONE PIECE尾田栄一郎

扉絵が粋。ジャンプを支える者の歴史と余裕を感じた。

『逃げ上手の若君』松井優征

黒曜石は刺さらず。無念。

顕家と時行、性格は違えど互いに認め合う。顕家編は「違いを認め合う」ことがテーマだろうけど、乱世の条理として過度な演出が無いのが好き。戦ってりゃ死ぬときは死ぬよね。

尊氏。痛いところをついてくる。何度も作中で言及された通り、この時代の逃げは「恥」である。その上、時行の場合は「身分」が加わる。時行が逃げるために、何人もの大人が身代わりとなったか。被害者面してるのは白々しくてちょっと面白いが、後醍醐帝が大好きな尊氏にとってはかなり迷惑だろう。この煽りに乗らねば武家の貴公子とは言えぬ。

もちろん、勝てない。時行くんも今まで見せたことのないような顔で絶望、敗走、大わらわ。

もちろん、演技だよね。前に泣き真似の練習してたし。ここからは「逃げ」のターン。いざ、鬼ごっこ開幕。

『カグラバチ』外薗健

合併号に合わせて、でっかい「閉幕」を持ってくるメリハリの良さ、神奈備加入のわかりやすい次章の導入。計算バッチリ。この漫画なら、新時代を託してもいいのかも?

 

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週刊少年ジャンプ(2024年35号)の感想

『カグラバチ』外薗健

後悔。躊躇い。存在したかもしれない幸せ。そんなもの、漣家当主には必要ない。雑念は槌で打ち砕き、最期まで楽座市にしがみついた。チヒロを会場に引き戻したのは、ハクリか京羅か。その執念は真打をも押さえつけて、事切れる。

戦い抜いた男の背中はうつくしい。楽座市編を締めるにふさわしい、格の高い敵だったと思う。

『悪祓士のキヨシくん』 臼井彰一

良い。懸念していたキヨシくんの「最強」への鮮やかな回答。パラディンクロスと本気を出した上位の魔王の攻撃を合わせて受け止められるのは「最強」だから。序盤ながら、魔王が次々と登場するスピード感と緊張感を両立しつつ、ストーリーが自然に進む。
扉絵が『ワンピ』っぽいなあ、と思ってたが、話にも風格が出てきてる。

『超巡!超条先輩』沼駿

呪術はパロディ素材として一級品だとつくづく思う。

『逃げ上手の若君』松井優征

今のところなんだかんだで史実準拠の『逃げ若』にとって、唯一の番狂わせ要素が「神力」。アニメでも黒曜石は出てきたばかり。尊氏に一矢報いるか。

『ルリドラゴン』眞藤雅興

異種間交配……禁断の扉に触れてしまったな。
新能力は毒。コントロールできても女子高生には全く役に立たなそう。バトル漫画になるならまだしも。ルリちゃんには試練が続く。

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週刊少年ジャンプ(2024年34号)の感想

『極東ネクロマンス』 那波歩才

巻頭固定掲載。184は

beef

でお願いします。

龍が思ったよりおしゃべり。死霊術会の人間を不幸にするための死者蘇生。思ったよりしゃべったので、強キャラというよりは、近づきたくないような、触れずらいキャラクターになっている。なんだこいつ。どうしても巻き気味なのもあって回想に入ってしまうのがもったいないくらい。

チタリが巨大化。チタリのネクロマンシィはまだ明かされていないが、どんなネーミングなんだろう。気になる。

那波先生のセンスをお腹いっぱいになるまで堪能できる1話だった。

ごちそうさまでした。

『ひまてん!』 小野玄暉

こちらで。

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『逃げ上手の若君』松井優征

たしかに、先週もカルタみたいなのがふわふわ飛んでたが、まさかモノローグだとは。歴史ものの宿命である、史実というネタバレをうまく活用した、斬新な演出。素晴らしい。尊氏さんも、人外感が増してきた。いや、人外というか、この物語の主人公は時行である。が、この時代の主人公は、だれ?って聞かれて答えたかのような。

松井先生がこの戦いの顛末をどう描くのか。すごく楽しみ。

『妖怪バスター村上』伊原大貴

村上くんが普通に死んだ。なんだこのヒキ。おそらく地獄にいって閻魔大王とあれこれ……というある種お決まりの流れになると思うが、ホントにこのまま死んだらすごい漫画になれる(ならんでよろしい)。

先週の感想

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次週の感想

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週刊少年ジャンプ(2024年33号)の感想

『ひまてん!』 小野玄暉

こちらで。

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『カグラバチ』外薗健

素晴らしいのひとこと。蛛。蜻。蜈。真打は蟲がモチーフ。その全ての見せ方がかっこいい。特に蜈。これ、やばい。

今週自体は溜め回なのに、共闘、真打の能力開示と見どころが絶えない。競りも加速していく。最後のページが圧巻。

文字通り、筆舌に尽くしがたいパワーのある1話。ぜひ読んで。読めばわかる。

『逃げ上手の若君』松井優征

時行と顕家の合わせ技で高師直を撃破。全体的にエフェクトが華やかで良かった。アニメもちゃっかり毎週視聴しているが、顕家は初期のキャラクターと比較して、見た目が華やかで魅力的だったと思う。

いやあ。アニメ素晴らしいね。ここまで作画が良いとは。何なら漫画よりアニメの方がおすすめしやすいくらいには出来が良い。おすすめです。

『妖怪バスター村上』伊原大貴

ペンペン草も生えないiPhone×android論争から始まったのは面白かったが、もうちょい読みたくなるくらいのページ数だった。白沢。知らなかった。マイナーな所からも引っ張ってくるならば、結構続けられそうだ。

 

先週の感想

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次週の感想

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『ひまてん!』1話・2話・3話の感想

『ひまてん!』小野玄暉

1話の感想(WJ32号)

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どう読めばいい?

家守殿一は家事代行のバイトで大学資金を貯めている高校生。転校生の有名人・美野の世話係として仲良くなったりして、新しい依頼主の家に行くと、そこには美野が。これからどうなっちゃうの~!?……ってあらすじ。

まず、大前提として。184はこういう漫画読まないし、好きじゃないです。正直『アオのハコ』も流し読みで、感想もまったく書いたことないし。

だから、この作品の感想は、おそらくこの記事以外ではほぼ書かないと思う。でも、せっかくジャンプに来た新連載なので、この記事は何とか書いてみようと思う。3話と短いですが、拙いながらもお付き合いいただければ。

さて、まずは絵。がっつり変わった。でもやっぱりうまい。前の絵も好きだったし、現在の絵はジャンプって感じではないが、シャープな線がいまどきの学生ものにマッチしている。横顔やデフォルメ顔でも崩れていない。安定してこの絵が描けるなら心強い武器になると思う。

話。こういうのって無理な設定があってなんぼの印象があるのだけれど(『アオハコ』の同居みたいな)、本作は高校生で家政夫ときましたか。

バイトの理由は大学進学の費用を貯めるため。とのことだが、おうちもお弁当も服もピッカピカで、お金に困っている様子が絵からは全く伝わって来ず。高校の貴重な時間を労働に費やすなら、大学進学に向けて勉強をした方が良いと思ってしまうのは、184がこの漫画の対象年齢じゃないからだろうか。あ、そういうのを楽しむ漫画じゃないってことか。野暮な事を書いてしまった。

まあ、ヒロイン周りの奇跡的な出会いなど、細かい点は省略することにして、いわゆる負けヒロインがバレバレなのは、こういう漫画において大丈夫なことなのか知りたい。どうなんです?

キャラクター。家守くんは頼られまくっていることもあり健気だなあと思うが、まわりの大人が……これ以上は言わないが。ヒロインはしっかり魅力的に描けているところを、あえて最後にギャップで落としてきたのはベタながら良い見せ方だと思った。

全体としては、やれることはやっていると思う。ややテンポは遅めだが、その分ヒロインをしっかり描いたので後から何とでもなる。このジャンルの巧拙に関しては素人が口を出してもいいことはないと思うので、この程度にしておきます。

競合。いやー。わからない。『アオハコ』は盤石でその後ろを走ることになるのは十中八九間違いなく、やはり『キヨシくん』の記事でも言った通りの、純粋な人気一本勝負になるか。巻末作品よりもアンケートが取れていれば残る。

そうなると、うーん。わからない。話次第かな。来週に期待。

1話掲載週のジャンプ全体の感想

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2話の感想(WJ33号)

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終わりよければすべてよし?

ちょっと考えたが、シンプルに行こう。ジャンプのラブコメとは、本来は「初心者向け」であるべきなのだ。読者のターゲットたる少年が、初めてこのジャンルに触れる作品であるべき。つまり、184のような「素人」が口出しすべきなのだ。ということで。普通に書きます。

さて、今週はもっぱら家事代行。ハプニングシーンも挟みつつ、なんだかんだ絆を深めていくひまりと殿一のふたり。

内容としては、1回3時間週2回を「卒業まで」とか細かいところは気になった(受験は?)。が、作者が見せたいところ、すなわち殿一の掃除好きなところや仕事ぶり、ひまりの家の様子は、お互いの学校では見せない面が見えているという感じで良かった。

ひまりのメガネのギャップも、刺さる人には刺さるのではないだろうか。

あと、スマホの顔認証ロック解除。先週は料理系Youtuberの動画が出てきたし、2020年代ならではのモノが出てくる。おそらく、20年前なんかだと連絡取るのも一苦労だろうが、今作はさっくりLINEでメッセージを交換している。時代の流れを感じるなア。

ただ、ラブコメにおける「今どきの描写」は、結構重要な論点になると思う。手紙、電話、メール。コミュニケーションの形は変化する。つまり、ラブコメにおける山場も時代ごとに異なるだろう。それは、作劇に大きな影響を与える。

ブコメとは、時代に合わせたコミュニケーションのあり方を写実的に描写するという外面を有しつつ、時代が移り変わってもなお変わらない「恋愛」の様子を、リアルからデフォルメまでの緩い制約のもとに描写するという内面を併せ持っているのだと思う。ここに、登場人物の「関係性」が加わることによって、弛緩と緊張が生まれ、物語となる。ここに、このジャンルの面白さと難しさのひとつがあると思う。

それゆえに、時代の流れ、換言するならば、若者の共感が得られる描写になっているかがひとつの重要なポイントであり、本作はそこを意識しているように思える。実際、だからこそ、どんな傑作ラブコメも生まれた瞬間から「時代遅れ」となっていくのだが。「共感」の見地からすると、殿一くんの状況は明らかに出来過ぎているが、リアリティラインはかなり低く抑えられているので、まあいいのか。若者の意見が聞きたい。

↑ラブコメと言わず、恋愛もの全般にかけて言えそうなところ。

テンポ。家事に取り組むまでの会話が長くて気になった。ジャンプ新連載はテンポが遅いと致命的。まさか掃除に取り組むのは来週にするんじゃないだろうな、とヒヤヒヤするも、作業パートをばっさりカットしたので、全体としてみるときれいな1話になっていると思う。

うん。きれいに話が進んでいるが、山場が無ければ物語はいらないので。当て馬というか負けヒロインというか新キャラというか三角関係というか、どんな展開が来るか楽しみ。

2話掲載週のジャンプ全体の感想

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3話の感想(WJ34号)

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無難。

今週はもう一人のヒロインこと叶さんに焦点をあてた1話。殿一とは中学が同じだが、そんなに話すことはない、という微妙な距離感。

新キャラを掘り下げつつ、話も進みつつで特に書きたいことがない普通の3話。「書くことがない」史上いちばん書くことがないかもしれない。ジャンプでこれまで新連載を色々読んできたが、ここまで王道で、特徴のない物語は珍しい。最後のヒキも展開の割には弱め。

お弁当がおいしそうでいいね。殿一くんのスキルは確かなようで。

3話掲載週のジャンプ全体の感想   

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序盤を読んで

ふつうのラブコメ。王道展開を現代風に、良く言えば安定して、悪く言えば薄味に仕上げている。テンポも、眺めてみれば悪くない。ラブコメものの教科書を読んで書いたかのような基本的な構造。

絵は安定しているが、絵柄の特徴の無さが、作品のつかみどころの無さに繋がっているようにすら思えてしまう。

やっぱり山場が欲しい。今後の進め方によって、どうにでも広がると思う。素材の味がする。あんまり話の広がりはパッと思いつかないが、学園ならどんな展開にもできるし。

競合。人気勝負ならフックが無いため苦しい。ジャンル勝負なら相手はアオハコだが、おそらく勝てない。やはり劇的な展開が欲しい。ともかく、まだ3話。こっからいくらでも物語は広げられるし、その準備は出来ている。

(4話のヒキは強かったので良い感じじゃないでしょうか。追記:2024年7月31日)

連載前の印象 

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新連載・最終回の感想一覧

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週刊少年ジャンプ(2024年32号)の感想

『ひまてん!』 小野玄暉

こちらで。難産。

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『カグラバチ』外薗健

満を持して、真打。前半で封印だのなんだの言っていたので、もしかしておあずけか~?と不安だったが、(フルパワーではないかもしれないが)力の一端が見れただけでも大満足。「勾罪」。禍々しい姿に。黒い蝶は不吉と称されるシンボルでもある。

『悪祓士のキヨシくん』臼井彰一

こちらで。

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『鵺の陰陽師』川江康太 

カラーのセンス。「卒業」の二文字が似合うような、花吹雪に青空。でも先輩の表情は晴れない。

輪入道。最後まで自分の役回りを務めあげて退場。格のある中ボス戦は見ごたえあったね(最近感想で触れられてなかったのが申し訳ない)。

下敷きになる学郎、爆弾の証が消えない先輩。さあ、どうする?

コングラチュレーション。

この状況をきれいさっぱり解決するにはキスしかないよね、と言わんばかりに。まあ、「呪い」を解くにはキスって昔からお決まりだもの。

重く重く、でもちょっぴりバカバカしい。鵺らしい、最高の1話。

『僕とロボコ』宮崎周平

こういうのすき。

 『あかね噺』原作:末永裕樹 作画:馬上鷹将 

盛り上げて盛り上げてしっとり終わる。それでいて物語は進んでいる。この安定感よ。

先週の感想

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次週の感想

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週刊少年ジャンプ感想一覧 

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週刊少年ジャンプ(2024年31号)の感想

『極東ネクロマンス』 那波歩才

『妖怪バスター村上』という漫画をご存じでしょうか。そうそう、「巻末固定掲載」。このブログでは、『極東ネクロマンス』を「巻頭固定掲載」とすることに決定いたしました。当たり前っちゃ当たり前だと思うが、このブログは184のやりたい放題で構成しているのであしからず。

前回に続き薫の覚醒回。ナイフも人差し指のいちばん柔らかいとこで止めちゃう。ついこないだまで一般人だったからこそ、刺客の気持ちがわからない。薫は一貫して他人のために動く。だからこそ、人を傷つける刺客が許せないのだ。追い詰められた刺客の表情がすごく印象に残る。

ただ、体はついてこなかった。そのまま連れ去られる薫。

すぐに饗苑メンバーと奪還に向かう耀司。梵万尊。V系。耀司の静かな怒りが瞳からうかがえる。おしゃれな漫画だなあ。

『逃げ上手の若君』松井優征

アニメ化おめでとう。逃げ若のカラーはいつも色鮮やかで好き。

内容は巻頭らしからぬ戦略パート。じっくり読み込めて満足感があった。戦争はだいたい情報戦。この時代にも暗号はあったのかな。なんつって。包囲陣が五芒星なのはなんか意味があるのだろうか。

来週もセンターカラー。長きに渡った顕家編、どんな結末が待っているのでしょうか。

『悪祓士のキヨシくん』 臼井彰一

こちらで。

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『カグラバチ』外薗健

チヒロとハクリの連携が遂に当主の胸元に届く。お互い能力を活かしきったバトル。なんと言ってもハクリの成長速度が素晴らしい。

来週は真打が見れそうで大注目。

『願いのアストロ』和久井健

丁寧に見せてきた原則「アストロを使うにはコネクターが必要」。雑魚も活躍しやすくする良い設定だと思う。

そこに寅三。アストロ無しでも素手最強。素直にかっこいい。アストロ特有の弱点も無く、ある種のルールブレイカーでもある。序盤の強敵として出すには最高の設定だと思う。あと、せっかくのヤンキー漫画なのでこういうのも見たかったってのもあって好印象。

治安悪化。中央機関まるごと消失。明らかに人為的なもので、隕石とは別みたいな描かれ方してるが、おそらく隕石と関係していると思われる。

『妖怪バスター村上』伊原大貴

こちらで。

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週刊少年ジャンプ(2024年30号)の感想

『悪祓士のキヨシくん』 臼井彰一

こちらで。

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『極東ネクロマンス』 那波歩才

「明らかに」「掲載順が」「おかしい」。ので、正しい位置に戻しておきますね。

急展開。応戦するも、死霊術ですり抜ける。近づいても触れられない能力に「ディスタンス」のルビをつけるのが那波歩才って感じで最高。

翠の死霊を両断しつつ、ためらうことなく翠の腹部を切り裂く。

からの薫覚醒。シシは「血ヲ啜リ肉叢ヲ尽クストモ」。死霊術は「我、汝ノ内ニ在リ」。薫は他人に心を動かす人だ。緋と白の涙を流しながら、黒煙を漂わせる姿はこれまでとは違う。

『妖怪バスター村上』伊原大貴

こちらで。

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『ウィッチウォッチ』篠原健太

狂気もここまで至るとホラー回だな、と思ったら「オリジナル魔法コンテスト」回でしたか。応募する方も応募する方だが、これを大賞にする方もする方でおかしい。ひと昔前のデジタルCGのテカリ方が不気味に感じた。話もこわいよ。ビルでペッタン人形(184はこれの実物を見たことがない)するのはもう怪異だよ。妖怪だよ。祓わなきゃ……。

『僕とロボコ』宮崎周平 

新キャラはマンネリ感が無くて久々におもしろかった。髪型がプリンで、『極東ネクロマンス』の宇埜薫に触発されていることに疑う余地は無い。念獣の顔のパロディの浮き具合に笑う。

 

 

僕のヒーローアカデミア』完結まであと5話。最後まで駆け抜けろ。

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『悪祓士のキヨシくん』1話・2話・3話の感想

1話の感想(WJ30号)

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読切のまんま。

うん。やはり予想していた通りの内容で、起承転結がきれいにまとまった1話だった……というか、読切のまんま。ふと気になって、どこが違うか確認してみた。

……びっくりした。始めから終わりまですべて同じ。展開はおろか、台詞、コマ割りまで!間違い探しかってくらい同じ。2年越しに元の読切見ながら絵だけ描き直しただけ。違うのは、魔王の設定と悪祓士の技名が追加されたところくらい。まあ、これは上手く作用していると思う。

それはさておき。絵は結構うまい。主線が太くてメリハリの効いた絵。読みやすく、かっこいい。バトルいける。

話。やはり『マッシュル』っぽい。前半のギャグや、主人公が最強周りのおちゃらけパートは正直好きじゃない。が、後半にかけてキヨシくんの心理をしっかり描いていたのと、連載にあたって追加された設定(魔王の設定と悪祓士の技名)が素直に良かったので、全体としてはきれいにまとまっていた印象。応援したいと思える1話。魔王の数もちょうどいいくらい。

まあ、読切と同じなのでそこまで言うこともなく。次回からは奈落市での問題を解決する流れになるだろうが、ぜひバトル漫画になって欲しい。ぜひ。技名のセンスも良かったし、幕間はある程度ふざけてもいいから。なにとぞ。

競合。怪しい。退魔バトル路線ならうれしいが、既にキヨシくんが「最強」なのと、呪術がいるせいでやりずらい。ただ、付け入る隙はあるか。

ギャグ路線は、やだ。これ以上誌面にコメディをのさばらせてはいけないと思う。落としどころはやはり『マッシュル』だろうが、あのノリはnot for meなのが辛い。どうにか、うまい具合に舵を取ってほしい。

1話掲載週のジャンプ全体の感想

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2話の感想(WJ31号)

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ギャグとバトルの温度差。

悪祓学校の卒業式。ライバル・棺葬介をはじめ、新キャラたちのキャラデザが良い。ベタがパリッとしていて見栄えが良い。遅れて現れるキヨシくんも、バトルパートはすごくかっこいい。十三がうちの魔王を一人、2話連続であっさり倒してしまった。新キャラもバトルもギャグもこなす。それでいて、キヨシくんの性格のよさ、かっこよさも伝わるような、密度の高い1話だったと思う。

ただ、裏を返せば、中途半端になりかねないバランスではある。特にバトル。キヨシくんが「最強」なので、魔王を倒すのに10ページもかかっていない。瞬殺。更に、184はシリアスはシリアスにやって欲しいタイプなので、キヨシくんが強いことで発生するギャグコマが合わない。まあ、魔王の上を出せばいいのだが、腰を据えたシリアス展開の際に、キヨシくんの「最強」設定が足かせにならないことを祈る。

ギャグパートも、せっかくこの絵が描けるのなら無理に描かなくとも、と思ってしまうくらい。ただ、今週くらいのバランスなら許容範囲内(184的にはもう少しバトルしてほしいが)。

タイトルの語感的にもバトル一辺倒にはしないと思われるが、思った以上にバトルがいけそうなため、応援したい気持ちもありつつ。3話目でどんな話になるのか、要注目です。

2話掲載週のジャンプ全体の感想

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3話の感想(WJ32号)

キヨシくんが配属されたのは奈落市の出張所。とは名ばかりの街中華。まず、キャラクターの見せ方がうまい。店長・熾木は切れ者感が出ているし、バトルの設定も練ってきているのを感じる。長期連載できそうな設定もちらほら。

バトルのワン・アイディアも、今までの感じから察するとビジュアル優位ながら面白そう。てかキャラデザがいいし、それを絵柄に落とし込むのがすごく上手い。個性的ながらスタイリッシュ。バトル回じゃなかったが、わくわくできる要素が多くてこれからどうお披露目してくれるのか楽しみ。

話も、キヨシくんの自己紹介的な単発ギャグは控えめに、説明を挟みつつも、キヨシくんがしっかり認められるまでをきれいな流れで描けているところは、構成の妙といったところか。キヨシくんも好感の持てるキャラクターとなっており、日本においても、身体装飾の量と性格に相関関係がないことを再確認。

全体の調和のとれた、まるで連載経験者かのような安定した話運びと絵柄。なんと言うか、言うことなしって程にはこなれた19ページ。おもしろい。

唯一怖いと思ったのは描き分け……個性的なキャラデザに隠れてはいるが、顔のパターンが少なそう(キヨシくんと店長の顔が同じように見えた)。ただ、最後の女子とか過去キヨシくんとか、結構かわいい系の絵も描けるじゃないかってところで、ほぼ心配は無用だと思われる。

3話掲載週のジャンプ全体の感想   

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序盤を読んで

細かいとこにケチをつけている部分が所々あるが、全体としてはおもしろい。とにかく、絵も話も安定している。並みの新人とはレベルが違うとはっきり言いきれるくらい、しっかり自分の世界を作り上げてきていると思う。応援したくなる。

その上で、1話2話のもやもやを分析してみたら、ある程度考えてはっきりした。

ギャグパートのギャグは全然よい。バトルパートで味方陣営がギャグ演出になるのもよい。ただ、敵陣営の魔王が「最強」のせいでギャグになるのが嫌だ。敵は一貫して真面目に戦ってほしい。

実際、3話は非バトル回であり、ある種の日常回だったがバッチリの出来。引っかかってるのはこれだったか。1話に感じていた『マッシュル』っぽさもだいぶ減った。まあ、184の知る『マッシュル』は8割くらいゼンマイ巻いていたので、先入観であれと比べてしまうのも良くないな、と思いつつ。

競合は……やっぱり退魔の『鵺』?でもどうなんだろう。明らかに読み味が違うので、票が割れるようには考えずらい。

また、最近のジャンプ情勢からして、ジャンル被り上等って気がしないでもない。要するに、人気一本勝負で、巻末作品よりもアンケートが取れていれば残るというルール。そう考えるならば、まずは32号でいうところの『願いのアストロ』『さいくるびより』や、同期に勝てるかといったところか。

そうなった場合、残ってもおかしくないと思う。てか勝てる内容してる。バトルでちゃんと盛り上げてくれるなら、人気も出そうな気がする。

184もなんだかんだ好きな作品かも。応援したいと素直に思える新連載、これからの飛躍に期待です。

もしかしたら、表の看板になれる?

連載前の印象 

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新連載・最終回の感想一覧

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週刊少年ジャンプ(2024年29号)の感想

『妖怪バスター村上』伊原大貴

こちらで。

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『極東ネクロマンス』 那波歩才 

明らかに掲載順が「おかしい」ので「正しい」位置にもってきました。ありえない。あってはならない。まだ8話だろ。編集部が「誤った」道に進もうとするならば、アンケートで修正するまで。それにしてもおかしい。巻末枠か?

内容的には、

死霊術ネクロマンシィ

奏デ舞ウ囀リダンシングベイビー

のお披露目回。と同時に龍の暗躍をほのめかす充実した回だった。死霊の絶妙なキモさはいい味出てると思うんだけどなあ。ただ、ちょっとしゃべりすぎな気もする。とはいえ、面白さで言ったらこの位置にくるべき。だから、「おかしい」。

『逃げ上手の若君』松井優征

少年漫画で「発情」の文字を見るとは。でも今週は久しぶりに時行くんが発情していてよかった。アニメのPVもかわいかったね。

『カグラバチ』外薗健

ハクリが少年漫画の主人公してて好き。親に認められるために奮闘するのは少年漫画における普遍的なテーマ。それによって「復讐者」たる千鈜が際立つ。六平として淵天を掴む最後のコマはオーラがある。

この漫画もたいがい掲載順がおかしいな。

『Dear Anemone』松井琳 

お疲れ様でした。

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先週の感想

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次週の感想

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