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漫画の感想。週刊少年ジャンプ、新連載から完結作まで。+『対世界用魔法少女つばめ』全話完走。

週刊少年ジャンプ(2024年36・37合併号)の感想【ヒロアカ最終回】

ジャンプがこんなに盛り上がってるのに都合により更新遅れるのが悲しいので書き進めているところを公開します。Twitterには完成したら発信します。

公開しました。

僕のヒーローアカデミア堀越耕平 

最終回。いやぁ、大団円。

話数が多くて滅多なことは書けないと思い、なかなか取り上げることが無かった作品ですが、今回に限ってはにわか知識ながら紹介させてください。

この作品の特徴は、「ヒーローもの」であると同時に「職業もの」であるところにあると思う。実際、アメコミを取り入れた明るい絵柄とビジュアルが目を引くが、ヒーローになる者の、ヒーローとしての苦悩や葛藤をしっかりと描写している。ヒーローになろうとする、半人前のヒーローとも言える雄英高校の生徒たちだからこそ真正面から描くことができた、独自の視点が光る。生徒たちのキャラクターは言うまでもなく、関係性など、細部までこだわって描いたからこそ、この葛藤は活きていたと思う。

それでいて、この漫画は「誰もがヒーローになれる」と説く。厳しい漫画だ。ヒーローの大変さ(と、ひとことで表すのもはばかられるほどの大変さ)は作中で散々描写されたじゃないか。それでも?そう、それでも。誰もが、ヒーローに、なれるんだ。

そんなに難しく考えなくてもいいじゃないか。何かせずにいられない。手を差し伸べずにはいられない。そう思ったとき。少しの思いきりさえあれば、だれもがヒーローになれる。最終回の先週の回(つまり35号の回)の”おばあちゃんが来た“は、そういうことか、と思った。(ちょっとポエミーだけど、こんな気持ちで読んでた。)

そして、上記のテーマを土台からがっしりと支えた、世界観のバランス感覚も評価したい。ある程度エンタメとしてのリアルは保ちつつローファンタジーとして、リアリティを保って現代日本を描写できていた。

あとは、死柄木。始めの頃にそれっぽい恰好でヴィランとして出てきて、旧来の型にはまっている感じと、善悪の対立があからさまな感じが好みではなかったが、シガラキの「ヴィランのヒーローであるための苦悩」には一本取られた。ここは良かった。

作画にも触れておこう。10年もの長期、しかも週刊連載に、画力を左右されず(休載・減ページはありながらも)、バトルシーンは圧巻の書き込み。キャラクターも、ヒーローはヒーローらしく、ヴィランはねっとりしつつもかっこよく描けていることも評価したい。

こんな感じで、湿度の高めな「ヒーローもの」を、ジャンプの柱になるほどに成長してからも、方向性をブレさせずに完走した点に、この作品の「個性」が出ている。単なる「ヒーローもの」を超えた、「”皆“がヒーローになるまでの物語」として、素晴らしい作品だと思う。堀越先生、お疲れさまでした。

ONE PIECE尾田栄一郎

扉絵が粋。ジャンプを支える者の歴史と余裕を感じた。

『逃げ上手の若君』松井優征

黒曜石は刺さらず。無念。

顕家と時行、性格は違えど互いに認め合う。顕家編は「違いを認め合う」ことがテーマだろうけど、乱世の条理として過度な演出が無いのが好き。戦ってりゃ死ぬときは死ぬよね。

尊氏。痛いところをついてくる。何度も作中で言及された通り、この時代の逃げは「恥」である。その上、時行の場合は「身分」が加わる。時行が逃げるために、何人もの大人が身代わりとなったか。被害者面してるのは白々しくてちょっと面白いが、後醍醐帝が大好きな尊氏にとってはかなり迷惑だろう。この煽りに乗らねば武家の貴公子とは言えぬ。

もちろん、勝てない。時行くんも今まで見せたことのないような顔で絶望、敗走、大わらわ。

もちろん、演技だよね。前に泣き真似の練習してたし。ここからは「逃げ」のターン。いざ、鬼ごっこ開幕。

『カグラバチ』外薗健

合併号に合わせて、でっかい「閉幕」を持ってくるメリハリの良さ、神奈備加入のわかりやすい次章の導入。計算バッチリ。この漫画なら、新時代を託してもいいのかも?

 

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