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漫画の感想。

『累々戦記』1話&2話&3話の感想

『累々戦記』雨宮ケント

 

1話の感想(WJ1号)

話は王道を地で行くスタイル。転校生・涅森に「正義マン」・朝風が振り回されつつ、異界の存在・「異糸」「累」を討伐するという退魔もの。

まず絵がうまい(最近毎回言ってる気がする)。さっぱりとしつつ細かい線でメリハリが効いている。制服の黒も、累の黒もよく映える。

キャラクターの性格も、涅森の「お約束」はともかく、朝風くらい極端でも184は違和感なく読める。身も蓋もないことを言えば、キャラの性格や役割がはっきりしていればするほど、作劇上やりやすいし、読む側もわかりやすくなる。朝風の、累の討伐に興味を示す動機にもなっている。良い。

懸念点としては、手放しに読みやすいとは言えない部分。情報量の多い絵(特に累のデザイン)と、独特の設定である異界、説明のない「おばば」と、ある程度力を入れて読む必要があった(少なくとも今話は)。本筋は単純も単純なので、枝葉の咀嚼に時間がかかるタイプ。戦闘のワンアイデアも、肝っぽい「顕界術」はチラ見せ程度で、片腕が剣になるのと「退魔もの」のお約束である「乗っ取られた人は傷つけない」を推しており、インパクトに欠けるので、早めの開示が欲しいところ。1話だからそのまま欠点にとはならないが。

総合的には、王道の展開による退魔もの。特に言うことがない。内容の話ではないが、「ダークよりな退魔もの」は作風的に『鵺』『呪術』『魔勇』『カグラ』など、連載中の作品と部分的にも含めて被る作品が多い、ジャンプ界の激戦区である。生き残るには当然ながらほかの作品に競り勝つ必要があり、ハードルは非常に高い。独自性を早急に確立したい。

2話の感想(WJ2号)

味がしない。

剥がし屋活動開始。校内一の人気者・渡瀬の累を剥がす。当たり障りのない前半から、よくわからないままのバトル。…1話で設定を作りこんでいることはわかったから、その解説をして欲しかった。世界観の説明を二の次に、二人の関係(剥がし屋)を広げたものだから、物語の根幹とは関係ない(≒連載にはどうでもいい)台詞が大半。読みづらさも相まって、正直きつい。

戦闘もアイデアを見せてほしい(1話の感想参照)。今のジャンプは画力だけでアクションを乗り切ることはできないと思う。

迷異家の設定は独自の味がした。力のないものこそ発動できる。ただ、舞台を破壊しないようにするための、都合のいい装置にしか思えないし、これが朝風の存在意義です。は弱い。↑の設定自体は良いので朝風が傍観者にならない工夫を求める。

3話(WJ3号)

話「だけが」先に進んでる。

剥がし屋と“早川奈々”に纏わるオカルティックなおはなし。まずは依頼主の累を剥がして次回に続く。先週と同じことは言いたくないので省略。上っ面だけが先に進んで本筋が一向に進まない。ので読者がついてこられないと思う。取り返しがつかなくなる前に枝葉ではなく幹の説明を。

巻末コメントで1話の読みづらさに言及。気づいてるなら今後改善されるだろう。よかった。

もう書くことがない。

総評

厳しいと思います。『呪術廻戦』が完結するまで粘れればあるいは…しかし、まだまだ終わんなそうだしなぁ。読者の想像を超えるような設定・展開を見せてほしい。

 

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