184

漫画の感想。

2023年金未来杯の感想まとめ

目的としては金未来杯の感想をまとめたかっただけなので、基本的に毎号の感想に書いたやつ(とTwitter埋め込み)のみ、最後に総評を載せる。該当号の記事も合間に載せとく。リンク盛り盛りで見づらかったらすいません。

『ほうきの狩人』小林おむすけ


おむすけ先生か。絵柄が特徴的で覚えてた。ジャンプ+に読切があるはず。お話はスタンダードな感じ。そこまで突飛な設定は無く、王道。一回普通に取引に応じちゃうのはジャンプらしくないなあとも思う。でもすごく穏やかな展開でアクションにすら作風が出てるなあと感じた。面白いしするする読めるんだけど、インパクトは無いか。個人的に好きな先生だから応援しちゃう。
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『部屋の一族』櫻井樹


なんて連載に向かない設定なんだ。分割しないで横長のシンプルなコマ割りが印象的。四コマ漫画みたいになっちゃう可能性もある割り方だけど、繊細かつ丁寧な背景のおかげで読みやすさにつながってる(設定との相乗効果も大きいか、同じ舞台ずっとだったら多分飽きてた)。後半では雰囲気作りにも一役買ってたし、狙って下手にこねくり回すよりも効果がありそうだ(『魔々勇々』には見習わず攻め続けて欲しい、これはこれ、それはそれ)。お話は普通。絵もよく見たら普通。演出は好き。「ばかみたい」は桐生ちゃんしか思い浮かばなかった。
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『カンヴァステラ』旅頃九時


金未来みっつめ。すごくおもしろい。自分の画の強みがめちゃくちゃ活きてる。能力設定がだいぶ自由度高め(続けばメタ系にも妖怪大戦争にもなる)なんだけど、だからこそ妹の存在が設定と嚙み合ってる。一つだけならジャンプラの読み切りによくあるやつだが、両者をうまく組み合わせることによって物語の奥行きが増してる(目標設定にもなってる)。画力が安定してるから決めゴマも引き締まって見える。と、お気に入りです。かなり。好き。今から本誌一枠開けて待っとくか。今気づいたが主人公の目の下のアレ、クマかよ。まいりました。
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『ZOOKEY!!』嶽辻円盤


まず、黒スーツの戦闘が画面が引き締まってかっこいいな。戦闘のワンアイデアがまんまアンデラなので、総じて「きれいなアンデラ」みてえだ。ただ、不死身とか人造人間とか既視感が。殺し屋系アクションもジャンプには(ジャンプラにも)ばっこりと過剰供給なので、ちょっと184が見飽きてる。アクションも絵柄が同じ系統のサカモトと比べざるをえないので、悲しいかな、「載せる雑誌が悪い」に尽きる。そして上記の理由で連載には出せない、と詰んでる。ジャンプラにある読切も殺し屋もの(タイトルがまんま)なので、思い入れがあるのかもしれないが、、。
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総評

ということで…184的金未来杯優勝作品は…『カンヴァステラ』。ひとまわりもふたまわりも他作品とはレベルが違う印象。各要素をより磨きあげればそのまま連載できるアイデアの量と質。作品らしさ、「絵」らしさのからくりはまだまだ仕掛けられそうなので今後に期待。「連載に耐えうる作品」を選ぶならば、ここに『ほうきの狩人』が入る。まだ話を広げられるので。こちらは逆に要素を足していく必要があるか。作家らしさがもっと見たい(おむすけLOVE)。
Twitter的には『ZOOKEY!!』がバズってるのが驚き。他のジャンルの読み切りも読みたいな。演出面で一番好きなのは『部屋の一族』。もっと漫画らしさ、画面の構成で遊ぶ作品が増えて欲しいな。特に最近は映画っぽい画面作りが流行ってるからこそ。背景を含めたコマ全体で魅せる漫画が描ける作者だと思う。