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漫画の感想。週刊少年ジャンプ、新連載から完結作まで。+『対世界用魔法少女つばめ』全話完走。

週刊少年ジャンプ(2024年47号)の感想【ほぼHUNTER×HUNTER考察】

HUNTER×HUNTERハマっちゃった。

 

『OSAMU』千木チキ

金未来杯その3。こちらで。

jdmgajdmga.hatenablog.com

 

『白卓 HAKUTAKU』石川光貴

あれ?能登さん留年してんじゃないの?留年残機があと2って言ってて、高校は6年生までが多いらしいから、なんか計算合わない気が。まあいっか。

 

184としては、作中ゲームはけっこう面白く受け取っていて、会議によってアイデアが形になる過程なんかは良く描けているし、面白い。
逆に、ちょっと専門的な部分に重きをおいてるのが不安。一応、ジャンプの読者層は小中学生ってことになってるのだから、コードとか仕様書を絡めて主役コンビふたりの力量を見せるのは良いとしても、そもそものゲーム作りのセオリーは説明しておいた方が良かったのでは。

でも、今の子は情報の授業でコードの扱いとかわかってるのかなあ。まあいっか。

 

『鵺の陰陽師』川江康太

露骨。これぞラブコメ戦国時代。それでも着々と戦いのときは近づく。

 

HUNTER×HUNTER冨樫義博

今回は第9王子・ハルケンブルグ特集で。

ハルケンブルグの母は第1王妃。よく見ると、第1王子・ベンジャミンともども三人は鼻の形がそっくり。ビヨンドの情報がノイズにあったものの、予想していた人は結構いそう。

そんなハルケンブルグは、暗殺に来た第1王子私設兵隊長・バルサミルコを能力で倒して乗り移ったことが確定。離れた距離から矢を命中させた微調整の術はよくわからないが、至近距離でなければ成功しないであろうバルサミルコの暗殺計画は失敗したと思われる。

結果として、ベンジャミンは腹心を失い、ハルケンブルグは合法的な暗殺手段を手に入れた。バルサミルコの姿ならば、ベンジャミンを堂々暗殺できる。ベンジャミンはピンチ。……ベンジャミンの私設兵、ほうぼうで倒されまくっててかわいそう。

……でも、よく考えたら、ハルケンブルグの最適解は「ベンジャミンとは別の陣営を倒しに行く」ことかもしれない。乗り移ったのは第1王子陣営・バルサミルコ。ただでさえ本人か怪しまれるベンジャミン陣営に乗り込むよりも、他陣営をバルサミルコの姿で荒らしまわったほうが良い結果になりそうだ。こうすることで、ベンジャミン陣営と他陣営を敵対させながら、邪魔な陣営の王子を斃せるかもしれないので(バルサミルコの姿で暗殺できる)。ここらの展開は今後に期待。正直なんでもできてわくわくする

 

ハルケンブルグの念能力は複雑なので一旦整理。詳細に書くのは他の詳しいかたに譲るとして、今週の話がわかる程度に要点をまとめるとこうなる。なお、能力の解釈は作中のハルケンブルグ陣営の推察(386話)を基底とする。

①使用時に「ゴゴゴ…」と鳴動が起こる。→能力を使用するとだいたいの陣営にバレる。志を共にする、すなわち同志と合わせて強い力を発揮する能力のため、発動オーラ量がすさまじいから。ちなみにコレは守護霊獣の能力ね。こっから下がハルケンブルグの念能力。

光の矢を放つ。能力の矢で相手を射抜くと、相手の身体に同志の意識を入れて乗っ取ることができる。

ここでポイントなのが②の「同志」。今回の展開から、おそらく意識を乗っ取る「同志」にはハルケンブルグも含まれており今回のケースではハルケンブルグが選ばれた(ハルケンブルグ自身を選んだ)のだろう。ハルケンブルグの体調不良で裁判が延期になったということも、この展開を裏付ける。

③乗っ取った同志(以下、便宜上「A」とする)は、相手(以下、「B」とする)の身体で自由に行動できる。

乗っ取ったあと、Aの身体は「眠った」状態になっている。つまり、死んでいるわけではないと。

この状態で、AがBの身体で死んだ場合(作中では自死)、Aの身体は眠りから覚めることが判明している。このときにAの身体にいる魂が、果たしてAのものなのかBのものなのかは明らかにされていないが、作中描写からすると、おそらく意識は元通り、Aのものになっているようだ。つまり、結果的にはBだけ死ぬ

 

そんな中で気になるのがウォーリオの独白。「第9王子は間もなく死にます」。なんで?考えられる可能性を列挙してみる。

⑴.バルサミルコの毒物が命中した。すなわち暗殺成功

⑵.ベンジャミンと心中するから。バルサミルコの暗殺は失敗し、毒物は靴に装填されたまま未発動でハルケンブルグが乗り移った。この装置をそのまま転用し、謁見の際にベンジャミンを暗殺する。不審な動きをする前提で、ハルケンブルグ(バルサミルコのすがた)が殺される前提の作戦だから「まもなく死にます」。

⑶.ハルケンブルグの念能力による弊害。

⑷.この発言は

⑸.ウォーリオは他の暗殺者、念能力者の能力によって殺されることを知っている、もしくは攻撃された瞬間を目撃した(その場合、体調不良との関わりは不明)。

 

こんなもんかな。ではひとつづつ検討。

まず、⑴と⑸の可能性は低い。ハルケンブルグの能力は発動のたびに「鳴動」が生じて他の陣営にバレる。つまり、能力が複数回発動したならば、鳴動が複数回発生したことを示唆する描写があるはずだが、そんな描写は無かった。つまり、今週描写された、〈ハルケンブルグ矢発射→命中、バルサミルコ乗っ取り〉の間に、両者に何かあった可能性は少なく、能力の矢は一発で命中したことが推察される。そうなると、バルサミルコの毒物はその性質上効果を発揮することはないため、⑴は候補から外れる。⑷は単純に作劇上微妙であり、考慮できる範囲にない要素のため除外。

では、⑵はどうか。これも無いと思う。ハルケンブルグはホイコーロを殺しに行った際、継承戦からの離脱が困難なことを知り、全力で戦うことを決意する。その目的は、王になるため。他の者に王の座を譲っては、現状も悪習も変えられない。ハルケンブルグは継承戦を制することを決断したのだ。だから、ベンジャミンと刺し違えるような作戦を取るはずがない。自分が生き残らなければ意味が無いから。

⑶も怪しい。上述した通り、ハルケンブルグの能力の全容は明らかになっていないものの、それは読者視点ゆえ。ハルケンブルグ陣営は第一王子私設兵・シカクで検証して能力の仕様を知っている。(先ほどの例を踏まえて)もし、AがBの身体で死んだ場合、もしAの身体にAの意識が戻らないとしたら(AがBの身体で死んだ場合、Bは死亡することが描写されているが、Aの意識が元の身体に戻った描写は無い)。つまり、ハルケンブルグの身体には、もうハルケンブルグの意識が戻らないとしたら、ハルケンブルグの意識はバルサミルコの身体を離れたが最後、自身の身体には戻ってこないということになる。バルサミルコの姿のまま継承戦を制しても、念能力を知らない国民に顛末を説明することは不可能だろう。つまり、「王子」としてのハルケンブルグの死。このことが世間に知られてしまうことを指して言ったのが、「まもなく死にます」なのだと考える。

ここまで制約が重くなくとも、読者に開示されてない何らかのデメリットがあり、それがハルケンブルグの身を蝕んでる可能性がある。だって、今のままだと強すぎだもん。

⑷はちょっと複雑。このパターンには大きく2つある。①ウォーリオが意識的に嘘をついている場合。手にハルケンブルグの同志の証を有しているため、主君の能力を別陣営に隠すことは当然考えられる。ハルケンブルグが重体だと偽れば、他陣営からの警戒はそれて、自由に行動できる機会が生まれるだろう。

それか、②ウォーリオが無意識で虚偽の発言をしている場合。証が付く前に気絶する。その際、前後の記憶が曖昧になっていることが語られている。その際、主君の能力に関する記憶が操作されている可能性は捨てきれない。どちらもあるが、前者のほうがありそうかな。ハルケンブルグは比較的誠実な性格なので、同志の記憶をわざわざ都合よく改変するような能力を持たないと思う。

 

……こんなもんかな。ありそうなのは⑷、次いで⑶。「思案済みの凡庸な意見」だったかもしれないが、ある程度の現状把握と、今後の展開の指針の一助になれば。

このくらいメタを回して考えないと、何やってるかわからない漫画というものも難儀だが、わからないなりに何度も読み返してみると面白さがわかってきた。

 

……パルプンテ≒不可思議=10の64乗。カキン王国にも『ドラクエ』はあるんだなあ。

 

『妖怪バスター村上』伊原大貴

おばあちゃんに読ませるのはキツイだろうに(巻末コメント)。

 

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