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漫画の感想。週刊少年ジャンプ、新連載から完結作まで。+『対世界用魔法少女つばめ』全話完走。

週刊少年ジャンプ(2024年48号)の感想【関係ない話ばっかり】

『あかね噺』原作:末永裕樹 作画:馬上鷹将

過去編突入。師匠の若い頃ということで、舞台は1964年。戦後ほどなくして復興も進んだ、東京五輪の年。この漫画ならば、時代考証なんかも上手くやってくれるという信頼がある

最後のコマ、背景に市電が走る。184の町にも市電保存館があって、子供のころよく館内で鬼ごっこをした。役目を果たして館内に並べられた市電のなかの匂いは、今でも思い出せるほどだ。全然関係ないね。失礼しました。

 

インビジブルブラッド』有坂旭

金未来杯。こちらで。

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『しのびごと』 原作:たけぐし一本 作画:みたらし三大

この漫画のアクションについて

今まで、『サカモト』や『カグラバチ』と比べると厳しいのでは、と思っていたが、技術が光る部分を見つけた。

ポージングだ。余分な演出をせずに、人物に躍動感のあるポーズを破綻なく描くことがうまい。動きにバリエーションがあるから、アクションでコマ数を少なく大きくしなくとも、構図を飽きずに読み進めることができる。

ということで、今週はずっとバトルしている割に充実感があった。

 

『願いのアストロ』和久井健

今回のマッチアップは素直におもしろかった

水を自在に操れるプロ級のインファイターなんて強いに決まっている。そんなやつに抑え込まれたピンチを、タコ→コブラと相手にちなんだ変化で形勢逆転し、相手の土俵であるジャーマンスープレックスで勝利。戦いのカギとなったのがアストロの根源たる「願いの力」だったのもアツい。

ホセ・ハルミだかポセ・ハルミだかよくわからんが、王道に盛り上がる展開。絵も上手い。バトルに関してはいい感じじゃない?

 

HUNTER×HUNTER冨樫義博

答え合わせ

そんな中で気になるのがウォーリオの独白。「第9王子は間もなく死にます」。なんで?考えられる可能性を列挙してみる。

⑴.バルサミルコの毒物が命中した。すなわち暗殺成功

⑵.ベンジャミンと心中するから。バルサミルコの暗殺は失敗し、毒物は靴に装填されたまま未発動でハルケンブルグが乗り移った。この装置をそのまま転用し、謁見の際にベンジャミンを暗殺する。不審な動きをする前提で、ハルケンブルグ(バルサミルコのすがた)が殺される前提の作戦だから「まもなく死にます」。

⑶.ハルケンブルグの念能力による弊害。

⑷.この発言は

⑸.ウォーリオは他の暗殺者、念能力者の能力によって殺されることを知っている、もしくは攻撃された瞬間を目撃した(その場合、体調不良との関わりは不明)。

先週の感想より。

正解は~?ハルケンブルグの念能力を活用し、暗殺を成功したと見せかけて(というか、おそらく乗っ取り後ハルケンブルグの身体にバルサミルコの毒物を散布して殺害)、バルサミルコの身体を乗っ取る作戦。微妙。⑶.が近いか。いちおう⑴.も当てはまる。

あんまり考察向いてないことは自覚しているので、なかなかうまくいかないのは承知だったのだが……ハルケンブルグの性格を読み違えていたっぽい。これからはおとなしく読んでます。

でも、今回ハルケンブルグが取る作戦だと、ハルケンブルグの身体が死んだら、バルサミルコが眠った後の約10時間でハルケンブルグの意思はバルサミルコの身体の中に追いやられてしまう気がするが、どうなるんだろう。その状態で能力を使えば、ハルケンブルグの魂だけ移動できるのだろうか。むつかしい話はできません!

 

『悪祓士のキヨシくん』 臼井彰一

前編の試験編は正直初めから終わりまでハマらなかったのでそろそろ危険水域かも……とか思ってたんだけど、新キャラと部活周りもそこそこ良いし、召喚陣の紋様が本物なところから、急にサカキと(おそらくラスボスの)幽田のバトルへ。

かっこいいじゃん。序盤のいけそうな雰囲気を久しぶりに感じた。

 

『妖怪バスター村上』伊原大貴

山本五郎左衛門。妖怪自体は知らなかったが、「日本と中国とインド」で真っ先に思い浮かぶのは皆さんご存じ「三国思想」。

三国思想とは、中世から広まったと考えられる仏教思想のひとつで、インドを「天竺」、中国を「震旦」としつつ、最終的に行きつく日本を「本朝」とする(『今昔物語集』なんかで使われてる呼称だよね)。

この三国を、仏教世界の概観図とし、仏教東漸の考えと併せて、仏教の終着地点かつ完成の地を本朝たる日本と解釈することで、日本仏教の独自発展を押し進める理論的背景にもなった(うろ覚えで間違ってたらゴメン、wikiが無くてびっくりした)。

この思想の特色は、「中国的世界観を、大陸のもたらした仏教を用いて相対化した」というところ。

古代の日本は、一言で言って唐の律令制を手本にし、百済から伝来した仏教を崇め、遣隋唐使によって文化を涵養した時代。つまり、「大陸の観念をそのまま受け入れた時代」といえる。

ただ、大陸から伝来した仏教は、もとはインド発祥。中国発祥の思想ではないため、仏典は基本的にサンスクリット→音写・漢訳による漢文で日本に持ち込まれた。そのため、仏典には、日本が統治分野で大きく影響を受けていた中華思想とは異なる思想(須弥山とか)が多分に含まれており、このことが中国的思想を相対化する足掛かりになったと考えられる。

要するに、中国的世界観とともに、インドを起点とする仏教世界観が輸入されたことで、中国的思想が絶対化される前に、その概念を相対的にまなざす視座を得たことで、日本独自の概念を生み出す土壌を育んだと。

古代~中世の過渡期といえば、神道にも体系化と共に本地垂迹やら神国思想やらと、後世の思想的基盤となるような変革がなされた時代。文化でも、大陸のマネをやめて日本独自の発展を進めた国風文化の時期と大きくずれていない。

ことから、古代~中世の過渡期は「中国・朝鮮半島の概念を相対化」した時期だったといえる。律令制もうやむやになるし、あらゆる分野での相対化と、それに伴う国風化

つまり何が言いたいのかというと……この「山本五郎左衛門」という妖怪は中世の仏教説話が出典、ないしそれにルーツがある!と推理してwikiを見たが、全然そんなことがなかったって話労力返せ村上。

 

先週の感想

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次週の感想

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