『願いのアストロ』和久井健
- 1話の感想（WJ20号）
- 1話掲載週のジャンプ全体の感想
- 2話の感想(WJ21号)
- 2話掲載週のジャンプ全体の感想
- 3話の感想（WJ22・23号）
- 3話掲載週のジャンプ全体の感想
- 序盤全体を通して
- 連載前の印象
1話の感想（WJ20号）
実力を感じる。
絵は思ったより綺麗。『東リべ』とかの予習もしていなかったので、期待以上。線が細かくてかっこいい。
話は世剣組の跡継ぎ争い+SF能力バトル。主人公は、先代組長・金剛の唯一の実子・世剣ヒバルと、第12養子・世剣テラス。後継者争いは、『HUNTER×HUNTER』よろしくベタながら熱い。
ペンダントにまつわる回想も、その後の2人のやりとりも少年マンガらしくて良い。そこからのどんでん返し。隕石による日本壊滅と、能力の開花。
個人的に面白いと思った仕組みは、刺青。いや、子供だからあるわけないじゃーん！ってお風呂で体を見せたあと、アストロ刺青。184の「この手があったか」はここ。
組の扱い。明らかに反社感を薄めているのは結構だが、主人公は時代と反対の思想。世紀末になって、ヒャッハーするの見越してだろうか。
弾丸。絶対ルフィ意識してる。『アヤシモン』といい、他媒体から来た作者さんはこういうパロディ的なことをしたがるのかな。でも『ALIENS AREA』は素でやってるから、結構一般的な能力ではあるかも。ともかく、演出がかっこいいのでそんなに既視感はない。もしかして、「アストロ」のタイトルも狙ってる？
さて、1話は王道で充分なものはあるが、ここからの話の転がし方が大事になってくる。特に、金剛組と今回の天災の関連。全く関係ないことは…ないよね？もしそうなら流星がただきれいなだけのハリボテになってしまう。
明らかに残るオーラを感じる。掲載順的にも『鵺』が喰われそうでヒヤヒヤ。
1話掲載週のジャンプ全体の感想
2話の感想(WJ21号)
なぜかわからないけど、ジャンプっぽくない！
二週間も寝ていたヒバル。町は荒廃。思ってたよりは壊滅してなさそう。
力を持ったのが鷹派。あくどい。やってること反社だし、構成員も反社そのものじゃないか！1話のクリーンアピールが嘘のよう。
能力・アストロ。星に願った能力を得る。ローファンタジー並みの能力開花で、なんでもありじゃないか、とも思ってしまうほど。というか、てっきり能力は兄弟だけとかにするのかと思ったら、結構モブにも配ってるんだね。
…特にマグナム周りの演出、構成に面白みは感じない。
この後が面白い。ジャンプの展開だと、だいたいぶっ飛ばした後は物語の導線を進めたり、主人公の決めゴマどーんで締めたりするもんだが、この作品は前半の説明を活用したほっこりエンドで締める。なんか新鮮に感じちゃうほど、ここ最近のジャンプ新連載とは構成が違う。気のせい？考えすぎ？そんなことないと思う。なんか不思議な気分。
話としては進んだけど、なんかあっさり。期待してたよりも落ち着いた展開。
あと、あれだな、一枚絵は実績のわりにあんま上手くないな。
2話掲載週のジャンプ全体の感想
3話の感想（WJ22・23号）
教科書通りの地に足ついた立ち上がり。
13人の兄弟の反乱。なんてまとまりのない組なんだ。しかもテラス派は10人ほどと、（若いからとはいえ）人望もない。まあ、後継者選びがね。幼帝を立てるときはきちんと後ろだてを付けなきゃ。特にそれが末の実子なら、それなりの根回しは必須なのは日本の武家時代が証明している。ヒバルも、父親の指名が現実的じゃないからテラスに任せたんだし。何人か兄弟が味方にいたら、また違った結果になったかもしれない。
銃。これでカタギは無理がある。先手必勝で殺していくのなら、少数精鋭でも戦えるだろうが、鎮圧した後の世間体がなあ。
決闘。ステゴロとはいったものの、アストロがあるので能力バトル。
兄弟の絆を信じて、説得することを決めた２人。まさに真っ直ぐな少年漫画。
絵は、バトル展開になってもわかりやすくていいと思う。
と、足りない説明の無い堅実なお話。テンポもいい。こっから兄弟喧嘩を軸に物語を進めていくのもわかるし、良いと思います。
ただ、フックがなあ。作品らしさが一向に出てこないというか、「お手本」通りで強みが見えないというか…。物語の推進力は兄弟の数ぶんあるので、マンネリにならなければ長期連載も視野に入るだろう。
3話掲載週のジャンプ全体の感想
序盤全体を通して
堅実で押さえるところは押さえた序盤。ここからの世界観の広がりに期待。何とも掴みどころがないので、作家性というか、独自性をもっと押し出してほしい。最初のうちはアンケートもぼちぼち入るだろうし、新人の初連載とは打ち切りまでの猶予も、読者の期待のハードルも違う。
うまく物語を軌道に乗せられれば、ジャンプの新たな看板になれるかも。
連載前の印象
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