小骨トモ先生の読切が好きだ。
漫画のネタは作者の原体験とはよく言うが、小骨先生の読切はほとんどそこから生まれているのが単行本のコメントからもわかる。先生の魅力は、決めゴマの強さと作品に漂う湿気だろう。
最近流行りのくらーい漫画とは違うのは、この作品らの(いわゆる)「鬱」描写が、決して作り物ではないところだと思う。この話は、一人の人間の原体験によって得られた「現実」のかけらであり、その場に漂っていた空気をそのまま梱包しているかのような、じっとりとした不快感。アナログのざらざらした手触り。本能的で生々しい欲望と煮え切らなさとコンプレックス。漫画にするのを躊躇うほどの苦しみ、憂鬱は、机上の悪夢ではない。
小骨トモ Tomo_Kobone on X: "なわとびがとべない(1/15) https://t.co/YxQ6Qrzwgo" / X
184はここに共感して(時には追想に耽って)、震えるんだなあ。素敵でした。
単行本も面白い。Kindleで。