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漫画の感想。

週刊少年ジャンプ(2023年50号)の感想

『あかね噺』原作:末永裕樹 作画:馬上鷹将

素直にかっこいい。今作はキャラクター多い方だけど誰が誰だか大体わかる。世界づくりが丁寧なのと、作画の描き分けがうまくいってるか。

謎の噺。ネットなんかには原文すら落っこちてない昔の文献なんて山ほどあるので、温故知新ができるとそれだけで差がつく。

意外と漫画のネタもあったりして。中世神道の胡散臭い世界観とかおそらく誰も漫画にしてなさそう。神代文字は見たことあるが、あれは江戸時代の創作が主流なので。『地獄楽』の見せかたで誰かよろしく。

ONE PIECE尾田栄一郎

くまがくまになってしまった。あの顎長男はどこへ。絵が…大丈夫か?演出?…多分違うな。←扉絵のブルックの足に書いてありました。話が話なだけに奇しくもマッチしている。初めて見たなワンピが下描きなの。トーン部分はクレヨンとかコンテの質感。トーン間に合わないからせめて…か。前もこんな回あったのかな。ちょっと気になる。

くまがボニーに「旅行するならどこに行きたい」か聞いてて笑っちゃった。自我がなくなりかけてもボニーに呼び掛けてた記憶がどこかにあったのかもしれない。展開は鬱々と。遺伝性の病気はやるせない。尾田先生ゆっくり休んで。

『子羊虎を成す』遥川潤

窮奇。『山海経』か、渋い所から持ってきた。温故知新だね。参考にしたとされているポケモンもいるが似ても似つかない。

絵はデフォルメがうまい。あと、こういう系にしては、世界観が絶妙でいい。下手に中華を押し出すと相対化してしまいがちなので。蜜漬け人間もおそらく桃娘モチーフだがさっぱりと。

話も上々。少年漫画にあるまじき模範的メディア(ワンピにもモルガンズがいるが)。友情・仁義を重視するジャンプには異色の論理。ジャンプ本誌にしては扱うテーマの年齢層が高くなりそうなので連載は難しそうだが、面白く読めた。

『逃げ上手の若君』松井優征

時事ネタを盛り込みつつ。ちょっと前のほう(物理的)に二人に指輪を渡しながらプロポーズする様をいい感じの雰囲気にして描いてた漫画があったな。まあいっか。(ちょっととげとげしたが、184は『アンデラ』好きです)

生き餌をちぎりながら三角関係しないでほしい。どんな顔すればいいかわからなくなるから。おそらく、ちぎってる時の二人の横顔めちゃくちゃ頑張って描いてる気がする。ようやるよ。

海外人気を気にする漫画も多くなってきた時勢の中で鯨食とは…いいね。直冬登場。まさかあのぐだぐだをジャンプでやろうとしているのか…。

『鵺の陰陽師』川江康太

19ページ全てから形容しがたいオーラが出ていておもしろい。バトルと奇妙な学園の両輪。たまらん。膳野~♡♡♡♡♡♡

↑時間をおいて読んだけどやっぱり面白い。なんだろう、この空気感。すごく好き。

追記。上にあった温故知新をここで。平安貴族が用いた事典の内容が載っている『二中歴』の第九:呪術歴において、「鵼の鳴く時の誦」があったので記載しておく。鵺が鳴いたときに唱える呪術。

「与三津止利 和加ゝ支毛止尓 奈支津礼止 比止三奈支ゝ津 由久多万毛安良之 」

「黄泉つ鳥 我が垣下に 鳴きつれど 人しな聞きつ 行く魂もあらじ」

似た歌は以前からあったようだが、平安時代に呪術として実用されていたらしい。みんなも鵺が鳴いた時はこの歌を詠むようにしようね。

 

今週のジャンプ、満足度高め。先週と打って変わって少し絞って書きました。

先週の感想↓

jdmgajdmga.hatenablog.com