184

漫画の感想。

『ドリトライ』総評&最終回の感想

いやー惜しかった。184は序盤かなり期待してた。
雲母坂先生、お疲れ様でした。
戦後まもなく、大神青空は病に冒された妹を救うため、裏の世界の拳闘士となって金を稼ぐ…的なスポーツもの。
注目したいのは時代設定で、ごりっごりの戦後なので仁義なき世界観がみられるものと期待していた節があった。1〜3話あたりはだいぶ王道で堅実に見えたんだ。が。
個人的に気になったのはリアリティ。ハードな“戦後らしさ”を求めていたんだが(特に893回り)、実際はかなり少年漫画に調整されてた印象。お話はしょうがないが肝心のボクシングはどうだ!で、最初の敵が片腕肥大くん。ということで、各々の意地と心がぶつかり合う崖っぷちハードバトル漫画を作り上げるための舞台設定かと思ったら、リアリティラインは超人バトル(必殺技あり)だった、てのがだいぶ求めていたものとのズレを感じた部分。
人によっては絵の巧拙も気になるかもしれない。前作とはだいぶモデルチェンジしているらしい。師匠寄りになったとか。ボクシング×『ネウロ』がしたかったのか…と、なかなか難しい。ボクシングならもうちょい正確な人体を。と思う所はあるが、前述の通り超人バトルなのでまあいいか(評価されなかったのは見ての通り)。ただ、ヒロポン男のハッタリ効いた表現はかなり好き。
さて、最終回。最高の最終回の次週に何を載っけるの。答えは最高の最終回。というのは、先週の最終回(つまり最終回の一話前)で時代設定の妙は明かされたので満足感があった。ブラック企業の表現は陳腐だが最後のページが全てであり、一貫して作品の軸だった“心の強さ”に対する完璧な回答で、というか、重ねてますか?雲母坂先生。ラストページが描ける人なら心配はいらない。次回作待ってます。

追記:2024年5月8日 
ドリトライ語録が一般に膾炙してしまったことに疑いの余地が無い昨今、いかがお過ごしでしょうか。
「正統後継者」「心の強さ」「ただの○○じゃねえぞ」「ド級」の守備範囲の広さよ。連載終了からだいぶ経ったが、まだ賞味期限が切れてない。

更新が遅れたのは忘れてたわけじゃないからね…