感想
得物を懐から取り出すも、気を緩めた刹那。致命傷を与えたはずのよおたに拘束させられるいちご。「思い出の二重掛け」の反動によってニンジンも行動不能。勝負あったか。
穴掘りの思い出。オクト×よおたは何しても対応できそうな思い出の厚み。オクトちゃんは行動不能に。この状況下なら、5分以内によおたがいちごを〆て願い星を壊せば勝利確定。
最後のあがき。共感するよおたと心のままに訴えるいちご。どれだけ言い合っても、彼らの趨勢が変わることはないのに。年下。いつもはしっかりしていたいちごも、今回ばかりは無理筋でよおたにすがる。「大切なものを蘇らせた」という共通点を有するふたりだからこそ、敗者は来たる絶望と焦燥を勝者に投下し、勝者は敗者の苦しみを我が身に生ずるが如く受け入れるのだ。
ニンジンロック。ニンジンの最後の行動は、逆転の一手ではなく、いちごを守るための敗戦処理。ひどい顔。左側は戦闘で焼け焦げ、右側は非情な覚悟に染まる。
「ニンジンならそういうニャ」。以前提起した問題がある。
「よおたの願いによって生き返ったオクトは本当にオクトちゃんなのか」という問題がある。今回の描写からすると「強くてかわいい最強のオクトちゃん」として、変身しているような。
そうだとしたら、オクトちゃん自身の意識ってどうなるんだろう。もしかしたら、今のオクトちゃんは「よおたの願い」にあるオクトをエミュレートしただけの、中身のない存在なのかもしれない。そうなると今後の展開が苦しいものとなりそうで、ちょっとワクワクしてきたなあ。
このニンジンのセリフは、明らかにニンジンから発されるものではない。いわば「ニンジン」の模倣。願い主の想像をそっくりそのまま具現化した「都合のいい存在」。
最後の会話。自らのエゴを悔いるいちごと、いちごを優しく許容するニンジン。一見すると感動的な別れを演出しているが、「ニンジン=都合のいい存在」とするならば、いちごの深層心理より発せられた「都合のいい」自己弁護の様子となり、非常にグロテスクな絵面となっている。ただ、最後のやりとりが、いちごにとって優しいものでよかったとは184も思うよ。
最後の授業。流れ星のことも、ニンジンのことも、お前らのことも忘れる前に。星と願いを交わした者=「星交者」のうちひとりだけがこの星に◯を穿ち、夢幻へと至る王となる。これが星交O者。ルール説明をするのは異形。「我々」とあり、よおたらと同じく「星交者」の一人であろう。なぜこのルールを知っているのか。もしかしたら、彼が願い星たちを地球に引き寄せたのかもしれない。また、星交O者への条件も注目すべき。地球に穴を穿つ。規模にもよるが、地球の寿命を刈り取る行為かもしれない。そうならば、「大事なもの」と「地球」を天秤にかける「セカイ系」の文脈が活きてくる。
わたしの夢を壊した人よ。行き着くところまで行き着いて、「地獄に落ちろ」。祝福であり、呪いである。戦友であり、「先生」であり、ニンジンを奪った「敵」であったお前らへ、もう平穏へと戻らせない。そういう枷。
対するよおた。「必ず」。彼はいちごの呪いをどこまで受け止めて誓ったのか?それは当人にのみ了承せらる。こうして、彼らの最後の盟約はここに締結したのである。いざ次週(今日)。
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