第4話「ぶっこわそうね、オクトちゃん」
感想
さて冒頭。怪獣の尻尾にくっついていたムゲンの民は粉々に砕け、願いのエネルギーは光に帰する。逆モヒカンおじさんも斃されたわけではなく、願いによる変身が解除された状態に。
わるぐち。結構根に持つタイプだ。2ページ最後のコマ、オクトの左は断ち切り線で見切れたか。
生まれる!なかなか攻めている絵面。1話冒頭からぽこぽこ湧き出ていた、顔のついた肉の細胞が活性化して、左腕を復活。どうやら、自らを含めて24体のムゲンの民が飛来して願いを叶えたという。ひとつの宇宙に願いはひとつ。許容量を大きく超えた飛翔体たちの到来によって、あの怪獣を倒しても左腕分しか願いが取り戻されなかったと。
まず、前話での取り違いを訂正しておくとすると、どうやらオクトの身体が奇妙な形状になったのは「願い同士が近づいたから」ではなく、「同じ宇宙に多くの願いが叶ってしまったから」っぽい。
前話の描写をうかがう限りでは、よおたの願いに呼応してオクトが攻撃した。いわば2人の行動が果たして結実したことで、左腕が生み出されたと捉えられる。こういうところもタイトルにかかっているのかなあと。
ここで気になるのが、願いが「完全」に取り戻されるシステム。今回オクトが左腕を取り戻したのは、「自らで他の願いを潰したから」なのか、「世界の願いの総数が減ったから」なのか。おそらく前者かなあと思われるが、もし後者ならばバトロワってことになる。
10頁からの異形の表現に注目。過去作『オクリコ』に出てきた化物たちのような、書き表せない気持ち悪さの羅列は一のヘ先生の技。それにしても、思ったより世界がめちゃくちゃになってるなあ。学校云々やってる暇はなさそうだ。
化物たちの描写からわかるのは、ムゲンの民たちが叶える願いの性質。カネが欲しいとか、栄誉を手にしたいみたいな現実的なものではなく、非現実的な、一般からすれば異様な願いなのかもしれない。そう考えると、よおたの願いはだいぶ現実的なほうかもしれない。
よおたの心が折れかける。そりゃよおたは普通の人間なので、化け物退治なんて命がいくつあっても足りない。それに、「夢バトル」。このまま推し進めていくならば、他人の夢を蹂躙することになろう。
だが、やはりオクトちゃんの言葉がよおたを一歩先へ突き動かす。眼前に広がるのは、2人が追い求めていた「超異常」そのものではないか。よおたにとってオクトは「願い」であり「光」であり、そして2度と失いたくない存在である。超友が超友であるために、みんなの夢はぶっこわされなければならない。
日常パートとか挟むかと思いきや、バンバン戦いそうな展開でワクワクしている。
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