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漫画の感想。週刊少年ジャンプ、新連載から完結作まで。+『対世界用魔法少女つばめ』全話完走。

『妖怪バスター村上』最終回の感想&総評

伊原大貴先生、お疲れさまでした。

最終回の感想

さて、最終回

山本にクインくんが取り込まれてしまったが、人間の楽しさを見せて成仏村上の出自を探るも、どれも違ってなんとも言えない空気で終わる。

話の構成自体は初期のそれだが、中身は中~後期のこまごまとした流れ。正直、山本に対しての悪口が思い浮かばなかったのだろうと勘繰りたくなるような消化不良である。。。

テンポもやや唐突で、19ページあったならば、また違ったかもしれない。

総評

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公式のあらすじはこんな感じ。

時は令和。数百年の封印から最恐の妖怪たちが目を覚ました。退魔師の紅院は、世界の平和を守るために立ち上がる!妖怪VS退魔師。今、始まる妖怪戦争──に、普通の高校生「村上」が参戦!?異才・伊原大貴最新作。超現代的退魔バトルコメディ!

[第1話]妖怪バスター村上/週刊少年ジャンプ新連載試し読み - 伊原大貴 | 少年ジャンプ+

あらすじにもある通り?超現代的退魔バトルコメディ。……なんだそれ。読んでいた感想としては、伊原先生の苦心が見えた作品だったと思う。

序盤はまさしくツッコミ退魔ギャグ。妖怪の変な特徴を、性格の悪そうなツッコミで茶化して倒す一話完結

当初から懸念していた通り、この様式はコスパが悪い。妖怪一匹ごとにツッコミを考えなければならないし、それにつけても棘のあるギャグは人を選ぶ。そのうえ、村上を装置として妖怪を主眼に据える構成上、村上に良いイメージが付きようがない

そういうわけで、キャラクターが大事なギャグ漫画において、すごく難しいことをしていたと思う。もちろんこの構成で週刊連載が保つはずがない

中盤からは、妖怪の学園とか、妖怪の組織とかの話を絡めるようになってくる。ここら辺になってくると、もはや日本妖怪縛りも難しい。村上が出てこない回もあったし。

新キャラも、みんな一癖ある。個人的に好きなのはドラゴン。イルカだけど。後期にかけて、敵にはマイナーな妖怪を選んでいたようだが、そこまで深く触れることもできず。というか、相手妖怪から味方のキャラに重心が動いていたようで、敵の印象はすこぶる薄く。

上手くなったのは歴然だが、それでもまだギャグ漫画の域を脱していない。

巻末固定掲載なのも悪い方向で動いた。巻頭から順番にページをめくる読者がどれだけ読んでくれたのか。ただ、それにしても早いので、アンケートは取れていなかっただろう。

 

総じて、序盤の構造の失敗(というか大半の要素)を修正し、挽回することに残りの時間を費やしてしまった漫画だと言えよう。

今回の改編にあたっては、他作品の巻末付近の動きが活発だった。それ故に、この時期の新連載がひとつだけだったのだろうが、唯一の打ち切りにこの作品が選ばれてしまった意味はよく考える必要があるだろう。

ちょっと厳しい評価だが、『恋ピ』を知っているのでね……本誌はきつくとも、まだまだやれる作者さんだと思っております。今後の活躍に期待。

 

新連載発表時の印象

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序盤の感想

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最終回掲載週の全体の感想

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新連載・最終回などの記事一覧

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