第30話♡落ちよ
・盛の回想
魔法少女になるために生まれた女。大罪の思念となった魔法少女は、みな魔法少女になるために生まれてきたのか。どうなんだっけ。でも、おそらく自発的に魔法少女になりたいと望んだのはつばめだけ。
♡の墓標。奇しくもつばめたちが倒していった順に眠る。心心。吹き出しが♡。暗い目にはならない。なぜならウィルスだから。それを今まで知らなかった盛。まあ、見た目だけじゃ判断できなそうだし。
途中なのにぐえー。やけにコミカル。回想が長引くとダレるので読者にやさしい選択。
・心心の心
「心心ちゃん的には」「綺麗事こそが本音」。肯定しながらビームでとどめ。
さらに回想。かつての盛の最期。仲間が死ぬのは4回目。それでも、心心は感情が動かない。苦しまない。なぜなら、ウィルスだから。「化物」だから。魔法少女といったら、昨今は苦しんで苦しみぬく姿も一周回ってスタンダード。かわいく明るいだけが魔法少女ではないというのは、なんとなく理解できる。ましてや本作の魔法少女は、明確な戦争兵器だし。
心心。暗い目をしている。吹き出しが普通のものに変わる。
「どうして」「私たちのことは守ってくれないの」。否。ズレている。根本的に。模造できたのは、学習できたのは、ガワだけだった。ここで心心に求められていたのは、間違いなく「悲劇のヒロイン」ではなかった。外側から見た魔法少女の悲劇性ではなく、内側に立った「戦友」への餞別が求められていた。しかし、それを心心はわからない。だから、ズレた。なぜなら、心がないから。
まさに人外。
つばめはつばめで、序盤から一貫してズレている。彼女の、異なる価値観への許容範囲は、主人公としての資質を越えかねないほどに広い。つばめは、他人のズレを、そのままに、ズレたまま受け止めることができる。だからこそ、魔法少女という資質を手にしたのかもしれないが。
だからこそ、盛は心心がウィルスであることに「つまらん」と思ったのに対して、つばめは「カワイイ」と思うのだ。
こうして、強敵・盛を撃破。空がまた晴れる。
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